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No.253 再生可能エネルギーに関するECの最新報告書

EC(欧州委員会)は2010年6月に”Renewable Energy Snapshots 2010”(「再生可
能エネルギーの概略2010 」)という報告書をインターネット上に公表しました
(1)。バイオマス、太陽熱、太陽光、風力を利用したエネルギー生産を50ペー
ジほどにまとめた報告書ですが、ほぼ各ページに色つきの図が掲載されていま
す。また、2000年から2009年までの変化、2015年までの予測、EU諸国間あるいは
世界の他地域との比較などが示されているので、非常に親しみやすい内容になっ
ています。
英語の表題には”Snapshot”(スナップ写真)という、この種の報告書にしては珍
しい単語が使われています。上記の対訳では”Snapshot”を「概略」としました
が、絵解き的な報告書ということを示したかったのかもしれません。いずれにし
ても図表を眺めるだけで再生エネルギーの三世(さんぜ=過去・現在・未来)と
地域的な特徴についていろいろ思いを巡らせることができること請け合いです。
是非とも眺めてみてください。
報告書で日本が登場するのはもっぱら太陽電池の生産と設置に関する部分です。 「生産」(production)では、日本は2006年までは世界を席巻していましたが、 2007年にEUと中国が発電量換算で日本を追い越し、2009年には中国が世界を席巻 するようになっています。また、台湾が2009年に日本と肩を並べるくらいにまで 生産を伸ばしており、2015年には中国に次ぐ世界第2の太陽電池生産大国になる と予測されています。 一方、太陽電池の「設置」(installation)でも、かつては日本がNo.1でした が、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力を国策により電力会社が高 い価格で買い取る固定価格買い取り制度(feed-in tariff)によってドイツが圧 倒的な地位を占めることになり、その後ドイツと同様にfeed-in tariffを施行し たスペインが世界第2の太陽パネル設置大国になりました。 太陽電池の生産と設置でかつてモノポリーを誇った日本が数年前を境にその地位 から後退したことに残念な思いは禁じえません。報告書p.29とp.33の図を眺め て、乾坤一擲、なんとか挽回策を探りあててほしいと思います。
その後、ECの報告書をフォローする形で、「ヨーロッパの再生可能エネルギーは 景気後退でもひるむことはない」(2)、「ドイツの実験」(3)などの論説が相 次いで出てきており、グリーン電力戦略の功罪に関する議論が活発に行われるよ うになっています(4)。
(1)http://re.jrc.ec.europa.eu/refsys/pdf/Snapshots_EUR_2010i.pdf (2)http://www.technologyreview.com/energy/25779/?nlid=3226 (3)http://www.technologyreview.com/energy/25577/ (4)「ドイツのグリーン電力戦略の功罪」http://akimada.blog129.fc2.com/