No.181 正極、負極、陽極、陰極、カソード、アノード???
このメルマガのバックナンバーを編集した「続・洛中洛外ナノテクばなし」を今月末に出版する予定です。いま、最終校正の作業中ですが、混乱したのが表題の電極の呼び名です。ある原稿では「正極、負極」、別の原稿では「陽極、陰極」となっていたので、「正極、負極」を一般的な「陽極、陰極」という表現に直しかけて、ふと昔のことを思い出しました。電気泳動で核酸成分の分析実験をしていたとき、先輩の研究者が「陰極がカソードで、陽極がアノードやで」といってくれたことがあったのです。
今回の出版では大事なトピックには解説を加えています。電池の話題もかなり多いので、サイエンス・グラフィックス(株)にイラスト入りのやさしい解説を用意してもらっています。それで確かめると、プラスに荷電したカチオン(例えばリチウムイオン)を呼び寄せる電極のマイナス極が正極となっています。つまり正極は陰極なのです。うっかり「正」を「陽」、「負」を「陰」に直したらとんでもない間違いを起こすことだったと、電気泳動を指導してくれた先輩の顔が仏さまの顔になって浮かんできました。
この話を仲間の電気や物理が専門のコーディネータ諸氏にしていたら「電池の世界では電位の高い方を陽極というんや」、「真空管はどうなってんねん」と大混乱になりました。そうなるとウィキペディアです。いわく、
「電池の電極の場合と電気分解の電極の場合では対応付けが逆になる。
・電気分解の場合:陽極 = アノード, 陰極 = カソード
・電池の場合:陽極 = カソード, 陰極 = アノード
また電池の場合は電位の高いほう(陽極)を正極(せいきょく、positiveelectrode)、低いほう(陰極)を負極(ふきょく、negative electrode)と呼ぶ場合が多い。」
これじゃベラフォンテのMan Piabaだ!(I)
蛇足
Man Piabaはベラフォンテがつくったカリプソのナンセンスソングに次の1節“the confusion made the brain go 'round”(「頭がこんがらがってキリキリ舞」)
Copyright (c) 2003 KYO-NANO. All Rights Reserved.



